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びわ卓フォーラム2014でクラウドファンディングと生活情報サイトの相性を説明

1月18日、草津市立まつづくりセンターで行われた「びわ卓フォーラム2014」で、分科会の話題提供者を務めた。

クラウドファンディングで資金調達を行うには、地域に密着した生活情報サイトとの連携が不可欠だとの趣旨で、30分ほど説明させていただいた。

ITを活用した資金調達

これまでもNPOなどの活動資金調達にITは頻繁に利用されてきた。webサイトで直接募金を呼びかけたり、ワンクリック募金、オンラインゲームなど挙げればいくらでもありそうだ。
「クラウドファンディング」もその一つで、すでに多くのサイトが運営されている。

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングについてわかりやすく解説している動画が「ミータップ」に掲載されていたので共有。

クラウドファンディングのサイトは「クーポン購入サイト」に似ている。

クラウドファンディング クーポン購入サイト

興味のあるプロジェクト(賞品)を見つけて寄付(購入)する流れは両者に共通している。
さらに、現在の進行状況がわかるので、興味あるプロジェクト(賞品)を成立させるために第三者に協力を依頼したり、SNSなどで拡散するところも似ている。

国内クラウドファンディングサイト(抜粋)

READYFOR(レディーフォー) CAMPFIRE
MotionGallery(モーションギャラリー) ミータップ
GREEN FUNDING(グリーンファンディング) kibidango(きびだんご)
ShootingStar(シューティングスター) FAAVO(ファーボ)
COUNTDOWN(カウントダウン) zenmono(ゼンモノ)
WESYM(ウィシム) Makuake(マクアケ)

こちらのサイトではどのようなファンドが資金を集めているかビジュアルに参照出来るので、ファンドの立ち上げにも参考にできる。

READYFOR(レディーフォー)は2011年4月のオープンで国内最初のクラウドファンディングらしい。
まるで地域ブログのように地域毎にサイトを運営しているのがFAAVO(ファーボ)。現在13府県で運営されていて滋賀でも滋賀咲くブログの現在の運営会社さんが準備室を立ち上げている。
GREEN FUNDING(グリーンファンディング)はモール型のサービスで、同じ仕組みを使って多くのサイトが立ち上がっている。

地域に特化したサイトもあって、例えば鎌倉市の「iikuni」
ITの力で鎌倉市を活性化するチーム「カマコンバレー」が運営している。

非営利団体に特化したファンドレイジングサイトJustGiving(ジャストギビング)、投資型のミュージックセキュリティーズなども利用者が多い。

日本の寄付文化

日本には寄付文化が根付いてなく、寄付は集まりにくいと言われてきた。
GDPに対する寄付金額でも左のような状態。
特に個人の寄付が少なく、アメリカの50分の1程度でその理由は「文化の違い」とも言われてきた。
しかし、東日本大震災を契機に意識改革が進み、結果としてクラウドファンディングサービスが利用される機会が増えてきているらしい。

東日本大震災では15歳以上の76%の人々が、あわせて約6,000億円の寄付をしたとどこかで聞いた。驚きだったのは、その年の震災関連以外の寄付額も例年とさほど変わりなかったと聞いたこと。

そこから日本に寄付文化が育っていなかったわけでなく、単にきっかけがなかっただけではないかと思うようになった。
市民はきっかけを求めていて、クラウドファンディングのようなサービスできっかけを与えられれば行動することは間違いない気がするし、事実、多数のファンドが成立していると聞いている。
また、きっかけを与えるだけではなく、寄付金の流れを「見える化」していくことも重要で、多くのファンドでは資金の活用方法や事業の経過報告などについても細かく紹介されている。

アイディアや仕組みを提供していくことで、寄付文化は新たなステージに向かう。それを実践する人たちがファンドレーザーと呼ばれる人たちで、海外では凄腕ファンドレーザーには多額の報酬が支払われている。
日本では「金は出すが口は出さない」「滅私奉公」などが美徳とされていて、それが曲解された結果寄付の機会創出につながらなかったような気がする。
そういう日本的な文化も大切にしつつ、より大きな視野から課題解決につながる方策を導き出せる人たちを大切に育てる場が必要だと思う。

地域で寄付金集めには「きっかけ」と「見える化」、それに「親近感」

全く見かけなくなったが「臓器移植手術で○○ちゃんを救おう!」となれば、1億円を超える寄付金を集める潜在力は全国どの地域にもあり、やはり「きっかけ」は大切と感じる。
ただ、きっかけだけではもう寄付は集まらない。昨年だったか架空の団体が大がかりな寄付金詐欺で摘発されたことも街頭募金にはマイナスで、どこの誰が何を目的にお金を集め、それをどう使うのか、そしてその結果どうなったのかまで「見える化」することが求められてくる。
それに人は身近な問題により強く反応することは地元有利の材料になる。

地域できっかけを届けるには

スマホが普及し、多くの人たちが大量の情報を瞬時に得られるインフラが整った。でも、全国規模のニュースはよく知っていても、自分の住む地域の出来事は知らない人たちが圧倒的に多い。
滋賀県内でも南部地域は県外からの移住者も多く、地域コミュニティが崩壊しつつある中で、これまでなら人を介して伝わる情報が遮断されてしまっている。
ネットやスマホが普及しても生活圏の情報は不足しているのが現状で、言い換えればそれがきっかけ作りの大きなヒントになる。
私が2006年に地域ポータルサイトを立ち上げようと思ったときは、すでにネットにある情報を整理してアクセスしやすくすることが役割だと思っていたが、今はそれだけでアクセスを集めることはできない。こんなのがあったら便利だろう・・・では人は集まらない。
山のようなサイトやアプリがスマホ画面とつながっていて、限られた時間の中でそれらを差し置いてアクセスしてみようと思ってもらえるようなサイトにしないと、いくら優れたサイトであっても一部の人が使うだけになる。
自分の生活圏で活用できる「生活情報サイト」がその答えになると取り組みを進めているところだ。

地域で見える化を実現するには

ITを活用すれば短時間にそしてビジュアルにいろんなものを見せられるようになる。
メーカーにいた頃はいろんな情報技術を活用して経営判断につながる情報を担当部署や経営者に届けることが仕事だった。「見える化」という言葉が社内で使われ出したのは2000年代初頭だったので、それまでは経営の可視化とか言っていたように思う。「可視化」が「見える化」になったのは、よりわかりやすく見せることが求められる時代の到来を象徴していて、あれから10年以上経った今では生活の中に溶け込んだ言葉となっている。
「見える化」には多くのコストが発生する。そのコストを本来の課題解決に向けられれば・・・と思ってしまうとおざなりになる。そのコストを地域内でそれぞれが応分の負担をする仕組みが構築できれば全体の底上げにつなげられる。こちらも現在その仕組みを模索しているところだ。

地域で親近感を届けるには

寄付金が欲しいときだけサイトを立ち上げて情報を発信するよりも、普段からコミュニティをつくっておくことがいざというときのためになる。
実は滋賀咲くブログでこまめに記事更新していくだけで大きな違いにつながる例を沢山見てきた。
ブログの書き方も重要で、内向きなブログは余り役に立たない。それどころか、寄付金集めの段階になってマイナス要因になる可能性もある。
単なるブログと軽く考えず、しっかりした方向性の元で運営すれば時間とお金をかけずに親近感を届けられる。
滋賀咲くブログの「NPO・団体・まちづくりカテゴリ」には沢山のブログが登録されていて参考になる。

誰が寄付してくれるの?

地域で寄付金を集めるには地域に関心があり、ボランティア活動にも熱心な人たちにお願いしていけばいいのだろうか?
また、そういう人たちを増やしていく努力をしないと寄付金は集まらない(=寄付文化が醸成されない)のだろうか?
これまでは多分そうだったと思う。
しかし、これからは地域にあまり関心がない人が沢山寄付をしてくれるように間違いなく変わっていく。
なぜなら、その人達の生活圏は間違いなくそこにあるからだ。

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